保護猫と一緒に暮らしたいと思い、譲渡会に行ったら条件が厳しすぎて断られた…
このような経験を持つ方は結構多いのではないかと思います。
どうしてこんなに保護猫の譲渡条件は厳しいのでしょうか?
実は保護猫の譲渡条件が厳しいのは理由があるんです。
- 保護猫の譲渡条件が厳しいのはなぜか
- 譲渡条件にはいろいろある
- 保護猫を譲渡するさいの費用はどのくらい?
保護猫に関する譲渡条件と費用の事を紹介します。
保護猫の譲渡の基準が厳しいのはなぜ?
里親になりたいと思う人にとってはとても厳しいと思える譲渡条件ですが、どうしてこんなに厳しくなったのでしょうか?
里親詐欺が横行している
猫の譲渡条件が厳しくなった背景には、後を絶たない里親詐欺や虐待が横行しているということが挙げられます。
里親募集をしている猫を引き取ったあと、
- 引き取った後に転売する
- 引き取った猫を新たに里親に引き渡した上で飼育費を要求する
- 殺処分目的で保健所に連れて行く
など、許しがたい行為が実際に行われているのです。
虐待を避けたい
虐待目的で猫の里親になる…信じられないことですが、実際にこのような事例は存在します。
実際にあったひどい事件では、何匹もの猫の里親になったものの数十匹を虐待死させたというものがあり、現在でも署名活動が続けられているなど悪質な里親詐欺が後を絶ちません。
猫をこのような目に遭わせないために譲渡条件が厳しくなったと言っても過言ではないでしょう。
譲渡条件がクリアできれば猫の里親になることができますが、逆を言えばそこさえクリアできればどんな目的があっても猫の里親になることができるのです。
猫が危険な目にあうのを防ぐことができるかもしれないことを考えると、譲渡条件が厳しくなるのは納得ができるのではないでしょうか。
終生、猫と過ごしてもらうため
里親が見つかり譲渡された猫は、新たな里親の元で幸せな一生を過ごしてほしいと思います。
ところが引き取られた後に事情が変わり飼えなくなったという悲しい出来事が起こることもあり、そうなると猫はまた保護施設に戻されたり、ひどい場合では捨てられることもあるのです。
引き取った後に起こる不幸を起こさないために、少しでも譲渡条件に合う人を探したいという保護主の気持ちもわからなくはなく、猫の一生を考えると譲渡条件を厳しくしないといけないのが現実なのです。
もうこれ以上猫につらい思いをさせないために
保護施設にいる猫は一度捨てられたり、大好きな飼い主と事情があり離れなければならなかったなど、つらい思いをしています。
猫たちにもう2度とつらい思いをさせないために、譲渡の時点で「この人は猫を終生愛してくれるのか」を見極めなければならず、そのために譲渡条件が厳しくなっているという側面があるのです。
ただやみくもに譲渡条件が厳しいというわけではなく、猫の一生を考えてるからこそ譲渡条件を厳しくしているということを私達は心に留めなければいけないでしょう。
保護猫の譲渡条件は色々ある
保護猫の譲渡条件とはどのようなものがあるのか、調べてみました。
(下記の項目は、必ずしも全ての里親団体に当てはまる条件ではないので、里親に応募する際は必ず事前に里親団体等に条件を確認するようお願いいたします)
基本的な譲渡条件
- 年齢は20~60歳まで。(60歳以上の方は万が一飼育不可になった場合に代わりに世話をする人がいることが条件)
- 最後まで愛情を持って飼うことができ、途中で手放さなければならない環境ではない
- 家族全員の同意を得ている。
- 完全室内飼いができる(脱走・迷子防止対策をする)。
- 賃貸なら大家さんから飼育許可を得ている(要・大家さんの許可書)。
- 販売や転売、動物実験などを目的としていない
- きちんとワクチンや予防接種を受けさせる
- 去勢、不妊手術をする
上記で挙げられた譲渡条件は猫を飼っている人なら当たり前であるということばかりであり、この条件がクリアできなければ猫を飼う環境にはないということがわかるのではないでしょうか?
しかし、上記の条件の他にもっと厳しい条件が付くことがあり、それが猫の譲渡を難しくしているのです。
もっと厳しい譲渡条件
猫の譲渡にはもっと細かい条件が付くことも少なくありません。
- 単身者への譲渡は不可
- 男性への譲渡は不可
- 学生への譲渡は不可
- 未婚・同棲カップルの譲渡は不可
- 固定電話がない人の譲渡は不可
- フリーメールでのお問い合わせの場合は譲渡不可
- 8時間以上猫を留守番させる環境下の場合は譲渡不可
- 猫の飼育歴がない人は譲渡不可(ペット可の賃貸住宅でも×)
- 6歳以下の子供がいる家庭は譲渡不可
ここまで細かい条件が付けられると、さすがに里親が見つかるのかどうかが不安になります。
単身者や猫の飼育歴がない人が譲渡不可になるのは理解できなくもないのですが、子供のいる家庭の譲渡が不可になると里親の受け皿がぐっと少なくなって、幸せになるはずの猫の選択肢も狭まってしまうように思えてなりません。
この厳しすぎる条件で猫の譲渡を諦めてしまうことがあれば、とても残念に思います。
どうすれば保護猫を譲渡してもらえるのか
上記にあげた譲渡条件を絶対クリアしないとダメだというのであれば、その保護主からの譲渡はあきらめるしかありませんが、保護主や保護ボランティアの中には条件だけではなく、里親になりたい人のパーソナリティーを大事にする人もいます。
保護猫カフェや個人で保護猫シェルターを運営しているなど、保護主と直接会えてコミュニケーションが取れる場所を選ぶのがいいでしょう。
猫の里親になりたいという熱意と、クリアできない条件に対して「こうしたいと思っている」という思いを伝え、保護主に安心してもらうことが大事です。
保護猫を譲渡する際の費用はどのくらい?
保護猫を譲渡するさい、費用はどれほどかかるのでしょうか?
里親側の負担となる譲渡費の内訳
譲渡費の目安は里親団体にもよりますが、おおむね3万~6万円程度です。
譲渡される側が負担する譲渡費としては、
- ワクチン代
- 避妊・去勢手術代
- 血液検査
- 回虫・ノミダニ駆虫
- その他の医療費
- 餌・砂代などの飼育費
上記の費用の一部を譲渡費として支払うことが多く、譲渡される猫の移動費用も里親側が負担することが多いです。
保護猫だからと言って無料で譲渡してもらえるわけではないことに留意しましょう。
譲渡費の他にかかる費用
猫の里親になると、猫の飼育用品をそろえなければなりませんが、その費用も里親側にかかります。
そして猫との新生活が始まるわけですが、その新生活にかかる費用、病気になれば医療費、遊ぶためのおもちゃ代などすべて里親の負担になりますので、費用面などをよく考えた上で猫を譲渡してもらいましょう。
保護猫の譲渡が厳しいのはなぜ?その驚きの条件と費用とは?のまとめ
保護猫の譲渡が厳しいのは猫の一生の事を考えてのことであるということが分かりました。
- 猫の譲渡条件が厳しいのは里親詐欺や虐待などを防ぐためである。
- 譲渡条件は厳しいが、猫を飼うための環境が整っているかどうかを確認するためでもある。
- 保護団体により譲渡条件が厳しすぎることがある。
- 保護猫を譲渡してもらうには費用が掛かる。
- 保護猫だからといってただで譲渡できるわけではない。
保護猫の譲渡条件が厳しいのは裏を返せば人間が与える危険から身を守るためといえるでしょう。
世の中にはつらい過去を持った猫がたくさんおり、保護猫を引き取りたい人のほとんどが猫のセカンドライフを幸せなものにしたいと考えています。
保護主と里親ともに納得できるよう、譲渡条件に付いてはよく話し合い、猫が幸せになれる道を模索しましょう。