猫が、毛づくろいによって胃に入ってしまった毛玉を吐くことは頻繁にあります。
我が家の長毛猫は、排泄物と見紛うような巨大な毛玉を吐いているのですが、毛玉を吐くのを一度も見たことがないという飼い主さんも多く、「うちの猫、毛玉吐かないけど大丈夫?」「まだ子猫だから吐かないの?何歳から吐くの?」などと心配になる方もいらっしゃるようです。
毛玉を吐くようになるのは何歳からなのか、吐かない場合病気になってしまうこともあるのか、詳しく説明していきます。
猫は0歳からでも毛玉を吐く!吐く猫と吐かない猫の違いとは
結論から言うと、猫は0歳からでも毛玉を吐きます。
しかし、我が家にも吐く子と吐かない子がいるので、その違いを見ていきましょう。
毛玉を吐きやすい猫
毛玉を吐きやすい猫は、圧倒的に長毛種です。
- ペルシャ
- ミヌエット
- ノルウェージャンフォレストキャット
- サイベリアン
- ヒマラヤン
など、いわゆるモフモフ系の猫は、口の周りにまで毛が届いてしまうため、頻繁に毛を食べてしまいます。
モフモフでなくとも、毛づくろいの時間が長くなってしまうと、お腹に毛玉は溜まりやすくなり、猫の生活スタイルや、飼い主さんのブラッシングの頻度にもよりますが、起きている時間の2~3割が毛づくろいタイムです。
猫はストレスを感じた時にも毛づくろいをするので、過剰なストレスで毛づくろいの時間が長くならないように注意しましょう。
毛玉を吐きやすい猫が吐く頻度は?
1週間に数回程度であれば、特に心配はいりません。
しかし、1日に何回も吐いてしまうと胃酸で食道が傷ついてしまうこともあるため、あまり頻度が多いようであれば受診しましょう。
毛玉を吐きにくい猫とその理由
日本猫などの短毛猫は、滅多に毛玉を吐きません。
毛づくろいをする点では長毛猫と変わりませんが、大体は便と一緒に排出されます。
これは短毛猫の毛が胃に入っても、吐くほど溜まらず蠕動運動で腸へと進んでいくケースが多いからです。
ちなみに、猫が毛玉を吐くのを見たことがない方は、まん丸ボールのようなものをイメージするかもしれませんが、ちょっと違います。
大体、床に広がった嘔吐物の真ん中に「謎の塊」があり、一見すると粗相かと思うような見た目ですが、臭いがあまりしないので、粗相ではないと気づきます。
このタイプの毛玉は毛糸をよったような不思議な物体になっていることや、塊にすらなっていないこともあり、形状や量はまちまちです。
短毛猫が長毛猫のグルーミングをするのは大丈夫?
猫が他の猫のグルーミングをしている姿はとっても可愛いですよね。
しかし、長毛猫をグルーミングすることで、短毛猫のお腹にも毛玉がたまってしまうのではないか?と心配になることはありませんか?
我が家の短毛猫も、長毛猫のグルーミングをよくしていますが、それで毛玉を吐いているのは見たことがありません。
毛づくろいの時間と比較すれば、他の猫のグルーミングをしている時間はごく僅かなので、それほど心配する必要はないでしょう。
毛玉を吐かないと病気になる?
毛づくろいによって体内に入った毛をうまく吐き出せず、体にたまってしまうと、「毛球症」という病気を発症します。
どのようなメカニズムで毛球症が起こるか、どんな症状があるのか知りたい方は「はたらく細胞 猫」という漫画が分かりやすいので一読をおすすめします。
では、毛球症の症状と治療法について見ていきましょう。
毛球症の症状
毛が胃に溜まっている状態のときは、お腹が苦しいので以下のような症状が現れます。
- 食欲不振
- 不機嫌
- 嘔吐
- えずく(オエオエする)
- 便秘
毛球症が悪化すると、大きくなった毛玉が腸にまで移行してしまい、最悪の場合、腸閉塞や腹膜炎を起こすことがあるので、早めに受診してください。
「これまで毛玉をあまり吐かなかった」という猫でも、高齢になると吐き出す力が弱まって毛玉がお腹に溜まりやすくなります。
日ごろから、食欲や便通をよく観察してあげるようにしましょう。
毛球症の診断と治療
毛玉はレントゲンや超音波検査では見えづらいので、触診や内視鏡検査で診断し、軽症の場合は、毛球除去剤・サプリメントの投与で軽快します。
毛玉配慮タイプのキャットフードや、猫草も有効です。
薬やサプリメントで軽快しない場合は、内視鏡や外科手術で取り出すことになってしまいます。
知り合いの、昭和の猫飼いさんは「毛玉を吐かせるためにビニール袋を食べさせていた」と言っていたこともありましたが、危険なので絶対にやめましょう。
毛球症を起こさないために
猫が毛づくろいをすることは止められないので、毛が少しでもお腹にたまらないよう、工夫してあげましょう。
- こまめなブラッシングをする
- 毛玉配慮タイプのキャットフードに切り替える
- 乳酸菌を与える
- 猫草を与える
- 遊び時間を増やす
我が家の長毛猫には、「ファーミネーター」というブラシを使っていますが、ハゲてしまうのではないかと思うほどよく毛が取れます。
他のブラシとは取れ具合が全く異なるので、使用上の注意をよく確認して使わないといけません。
実際、やりすぎてしまって長毛猫の尻尾が細くなってしまい、それを見た息子が泣いていました。
便通をスムーズにすることも、毛球症予防に効果的なので、便通を良くするために、乳酸菌も与えてあげましょう。
「乳酸菌配合」のおやつやフードもありますが、私が試して一番効果があったのが「ビオフェルミン」です。
動物病院で猫用ビオフェルミンを処方してもらえますが、動物病院で処方してもらうと高いので、人間用を与えても問題ありません。
我が家の長毛猫(3.8kg)には、人間用ビオフェルミンを1日1錠与えています。
毛玉対策といえば猫草も有名ですが、1歳未満の幼猫には消化が難しいため、猫草は1歳を過ぎてから与えましょう。
また、遊び時間を増やすことも有効です。
遊んでいる間は毛づくろいしませんし、たくさん遊んであげると疲れてよく眠ります。
ストレス解消にも効果的なので、毎日最低でも5分×3回程度は遊んであげるようにしましょう。
猫が毛玉を何歳から吐くのかのまとめ
猫が毛玉を吐くのは、年齢には関係なく、猫種やライフスタイルによるものです。「〇歳なのに吐かない」という心配はしなくても良いでしょう。
しかし、毛玉を吐かないことによる体調不良は心配です。
毛玉がしっかり便から出ていそうか、苦しそうにしていないかは、日ごろから注意して観察するようにしてください。