愛猫が突然体を震わせたり意識を失うシーンを目撃すると、飼い主は誰でもパニックになってしまいます。
本記事では「猫 てんかん 初期症状 どうすればいい」と検索してたどり着いた方に向け、発症の見分け方から動物病院での治療、日常ケアまでを網羅的に解説。
専門書や最新の獣医学論文、実際にてんかん猫と暮らす飼い主の体験談をもとに、すぐに実践できる対処法を提示します。
大切な家族である猫の命とQOLを守るために、ぜひ最後までお読みください。
猫のてんかんとは?基本知識と初期症状の見分け方

てんかんは脳内の神経細胞が一時的に異常興奮し、繰り返し発作を起こす慢性疾患で、猫の場合、犬より発生率は低いものの、見逃されやすい軽度発作が多い点が特徴です。
発症年齢は1〜6歳の若齢期に多い特発性以外に、10歳以降の高齢期には脳腫瘍など構造的疾患が隠れているケースもあり、初期段階では「なんだか様子がおかしい」程度の小さなサインしか出ないことも多いので、日頃から行動パターンを細かく観察し、動画で記録する習慣が早期発見に直結します。
発作が5分以上続く、もしくは短時間で連続すると命に関わる重積発作へ移行する危険があるため、初回でも必ず動物病院へ相談しましょう。
- 視線が宙を漂い呼びかけに反応しない。
- 突然よだれを垂らし口をくちゃくちゃ動かす。
- 後ろ脚が突っ張りフラフラ歩く。
- 狭い所に頭を押し付けて動かない。
| 初期の小さなサイン | 典型的な発作 |
|---|---|
| 一点凝視・軽い筋肉のピクつき・落ち着きのなさ | 全身の痙攣・転倒・泡を吹く・失禁 |
てんかん全般のメカニズムと発症までの前兆
脳の電気活動は本来、抑制系と興奮系がバランスを取ることで滑らかに制御されていますが、何らかの要因で抑制系にブレーキがかからなくなると、過剰な電気信号が連鎖し“ショート”のような状態が発生します。
これがてんかん発作の正体です。
発作数日前から睡眠時間が増える、食欲が一時的に低下するなどのごく軽い前駆症状を示す猫もいますが、完全に無症状でいきなり発作に至るケースも少なくありません。
人間のインフルエンザと同様に、身体がだるそう・遊びに乗らないなど些細な変化をメモしておくと、獣医師との相談時に役立ちます。
軽度な部分発作と全般発作の症状の違い
部分発作は脳の限られた部位のみが興奮するため、体の一部だけがピクつく、口をカチカチ鳴らすなど“変な癖”レベルの現象で収まることがあります。
一方、全般発作では興奮が左右の大脳全体に一気に広がり、転倒・全身痙攣・意識消失といったドラマチックな症状が出現。
軽度発作だからと放置すると後に重度化するリスクがあるため、どちらのタイプでも記録と受診が必須です。
- 部分発作:顔の片側だけがピクピク、りんごをかじるような咀嚼運動。
- 全般発作:四肢が突っ張り自転車を漕ぐように動く、数十秒〜数分間気を失う。
走り回る・痙攣・よだれ…愛猫の行動と様子を観察
発作直前に家中を猛スピードで走り回る“発作前ダッシュ”を示す猫は少なくありません。
この時点で電気異常が始まっている可能性が高く、追いかけて抱き上げようとすると噛み付かれたり転倒事故を招くので注意が必要です。
発作本番では痙攣に伴い顎が強く閉じるため、手を挟むと飼い主が大怪我をする恐れがあります。
よだれや泡が出ても気道確保目的で口を開かせる処置は不要で、周囲の障害物を除去し、安全なクッションの上にそっと移動させるだけで十分です。
高齢猫・子猫で初期症状が異なる理由を解説
子猫では脳の神経ネットワークが未完成なため、軽い頭部外傷や高熱でも発作を誘発しやすい反面、治療で改善するケースが多いのが特徴です。
対して高齢猫の場合、脳腫瘍・脳血管障害・甲状腺機能亢進症など別の病気が背景にある“構造的てんかん”が多く、診断から治療方針まで複雑になります。
年齢に応じて考えられる原因が大きく変わるため、同じ初期症状でも検査内容や治療計画はまったく異なる点を理解しておきましょう。
てんかん発作が起きた!飼い主はどうすればいい?対処法と記録
突然の発作は映像で見るより遥かにショッキングで、日頃冷静な人でも思わず愛猫を抱きしめたくなるものです。
しかし不適切な刺激は発作を長引かせ、愛猫にも飼い主にも大怪我を招く恐れがあります。
まずは周囲の安全確保と時間計測、発作の様子を客観的に記録することが一次対応の基本です。
人間用のてんかん緊急マニュアルを応用し、動物向けに改良したフローチャートを冷蔵庫などに貼っておくと、家族の誰が遭遇しても慌てずに行動できます。
口に指を入れない、無理に止めない、低い声で落ち着かせるといったポイントを頭に入れておきましょう。
発作中にしてはいけないこと・いい対処法
てんかん発作は見た目の激しさに反して、外部から強制的に止めようとしても効果がありません。
抱き上げる、体を揺さぶる、口に物を咬ませるといった行為は、猫の歯が強く噛み締められるタイミングで指を失う危険すらあります。
良い対処の基本は「刺激を減らし、安全を確保」—照明を落とし、テレビや音楽を消し、柔らかいタオルをそっと体の周囲に敷いて衝撃を吸収してあげましょう。
発作が終わるまでの平均時間は1〜3分ですが、感覚的には非常に長く感じるため、腕時計やスマホのストップウォッチで正確に測ることが大切です。
- 悪い例:抱きしめて揺さぶる、口をこじ開ける、大声で叫ぶ
- 良い例:周りの家具をどける、照明を暗くする、タオルを頭付近へ敷く
時間を計測し動画を撮影!発作の記録方法
獣医師は飼い主が撮影した動画から診断の約70%を推定できると言われており、発作持続時間・体のどの部位が最初に動いたか・意識の有無・よだれや失禁の有無を映像で捉えることで、部分発作か全般発作かを鑑別しやすくなります。
可能であればスマホを固定し、手ブレ補正をONにして猫の全身をフレーム内に収め続けましょう。
撮影者は安全な距離を保ち、同時に口頭で「開始1分、全身痙攣」と実況録音すると後で時系列が整理しやすくなります。
発作後の受診タイミングと動物病院への連絡ポイント
発作が5分未満で自然停止し、その後意識が戻った場合でも、初回発作時は必ず24時間以内の受診を推奨します。
電話で状況を伝えるときは、①発作の回数と持続時間、②失神の有無、③既往歴と現在の服薬、④動画の有無を簡潔に伝えられると診療がスムーズです。
夜間救急にかかるかかりつけ医の翌日受診で済むかは、発作の持続時間と猫の意識レベルで判断します。
| 受診の優先度 | 具体的条件 |
|---|---|
| 緊急(即時) | 5分以上続く・短時間で連続・意識戻らず・高熱伴う |
| 準緊急(当日) | 1〜2回で停止・意識回復・動画あり |
| 通常(翌日以内) | 初回単発・意識良好・食欲も復帰 |
重積発作時の応急処置と病院への搬送方法
発作が5分以上続く、または意識が戻らないまま再発する状態を“てんかん重積”と呼び、死亡率が一気に跳ね上がります。
応急処置として室温を下げ、大きめの保冷剤をタオルで包み体幹に当て、過度な体温上昇を防げるでしょう。
呼吸が荒く唇が紫色になるチアノーゼが見られたら酸素不足のサインですので、一刻も早く酸素ケージを備えた救急病院へ搬送しましょう。
車移動時は後部座席に平らに寝かせ、頭を横向きにして吐物による誤嚥を防ぎ、同乗者が気道を確保します。
撮影には全身麻酔が必要ですが、近年は短時間プロトコルが普及し40〜60分で覚醒まで終了します。
高度医療センター紹介時の費用とペット保険
MRIとCTのセット検査は10万〜20万円程度が相場ですが、保険の通院・入院プランで70%程度まで補償されるケースも。
紹介状にはこれまでの検査データと動画リンクを添付してもらうと、重複検査を避けられ経済的負担を軽減できます。
| 検査項目 | 平均費用 | 保険適用後 |
|---|---|---|
| MRI | 120,000円 | 36,000円〜60,000円 |
| 脳波 | 30,000円 | 9,000円〜15,000円 |
治療法と投薬管理:抗てんかん薬の種類・副作用とコントロール
治療の柱は発作を“完全に止める”ではなく“生活の質を保てる頻度に抑える”ことです。
そのため複数の抗てんかん薬を組み合わせ、血中濃度と副作用を天秤に掛けながら最適なコントロールを探る“テーラーメイド療法”が推奨されます。
薬の飲ませ方、飲み忘れ防止アプリ、定期血液検査のスケジューリングなど、飼い主の継続力が治療成功の鍵を握るのです。
代表的な抗てんかん薬の種類と作用機序
第一選択薬はフェノバルビタールで、GABA作動性を強化し神経興奮を抑制します。
副作用が強い場合はゾニサミドやイメピトインへ切り替え。
難治例ではガバペンチンやレベチラセタムを追加し、多剤併用で相乗効果を狙います。
- フェノバルビタール:歴史が長く効果安定、肝酵素上昇に注意
- ゾニサミド:日本発、眠気が少なく投薬回数も少ない
- イメピトイン:新しい薬で副作用が軽いが高価
投薬スケジュールと定期的な血中濃度チェック
血中濃度は投与開始2週間後と1カ月後に測定し、以降は3〜6カ月ごとにフォローします。
半減期と食後吸収率を考慮し、朝夕同時刻に投与することが理想です。
クロノグラフアプリを使うと家族間での飲ませ忘れを防止できます。
副作用の様子と対処法:食欲低下・眠気など
初期にふらつきや多飲多尿が見られる場合は、徐々に投与量を増量する“漸増法”で体を慣らします。
肝障害の兆候として黄疸や嘔吐が続いたら直ちに血液検査を行い、薬剤変更を検討しましょう。
治療継続のコツと飼い主ができること
錠剤を粉砕し好物のチャオチュールに混ぜる、カレンダーにシールで投薬済みを可視化する、ペットシッターに投薬マニュアルを共有するなど、家庭ごとに工夫を凝らすことで継続率が飛躍的に高まります。
発作日誌をGoogleスプレッドシートで家族共有すると、通院時にすぐ印刷できて便利です。