この記事は、愛猫に牛肉を試してみたいけれど「脂身は?」「生で大丈夫?」と迷う飼い主さんに向けた総合ガイドです。
獣医師監修の最新エビデンスを基に、部位ごとの栄養価やリスク、生肉と加熱の違い、与える量の目安まで徹底的に解説します。
初めて牛肉を与える方も、すでに手作り食に取り入れている上級者も、この記事を読めば猫の安全と健康を守りながらおいしく牛肉を活用できるようになるでしょう。
猫に牛肉は大丈夫か?獣医師監修のメリット・デメリットを解説

結論から言えば、猫に牛肉を与えること自体は基本的に可能です。
猫は完全肉食動物であり、良質なたんぱく質源として牛肉は優秀ですが、部位や調理方法、量を誤るとアレルギーや肥満、寄生虫感染などのトラブルに発展します。
また、猫が必要とする栄養素は人と異なりタウリンやアルギニンなど必須アミノ酸のバランスが重要です。
これらを満たせるのは赤身中心の新鮮な牛肉であり、脂肪過多の部位や味付け肉は避ける必要があります。
獣医師の推奨では、総合栄養食を食べている猫の場合、牛肉は「おやつ」「副食」の位置づけで1日のカロリーの10%以内にとどめると安全域に収まりますね。
この章では、メリットとデメリットを整理し、飼い主が意思決定しやすいよう具体的に解説していきます。
愛猫の健康を維持するたんぱく質・脂質など栄養成分と効果
牛肉の最大の魅力は、高品質なたんぱく質とビタミンB群、鉄分、亜鉛を豊富に含む点です。
たんぱく質は筋肉や被毛、免疫細胞の材料となり、特に成長期や回復期の猫には欠かせません。
鉄分は貧血予防に、亜鉛は皮膚・被毛のツヤ改善に寄与し、さらにグリシンやカルニチンなどアミノ酸由来成分が脂肪代謝をサポートし、活力維持に役立つことも報告されています。
赤身中心であれば脂質は抑えられ、過剰カロリーの心配も小さくなりますが、ただし、栄養バランス面ではタウリン含有量が鶏肉より少ないため、キャットフードと併用して不足分を補うことが推奨されているのでご注意ください。
- 高たんぱく・高消化性で筋肉維持をサポート
- 鉄分・ビタミンB12が貧血リスクを低減
- 亜鉛と不飽和脂肪酸で皮膚トラブルを予防
寄生虫・細菌感染など生肉リスクと安全対策
牛肉の生食は、サルモネラ菌や大腸菌O157、トキソプラズマなどの病原体リスクを伴い猫が感染すると激しい下痢や発熱、最悪の場合敗血症に至るケースもあります。
人獣共通感染症のため、調理する飼い主側にも健康被害が及ぶ点に注意が必要です。
安全対策としては、冷凍解凍による寄生虫の不活化、食品用手袋の使用、器具の熱湯消毒が推奨されます。
市販の「猫用生肉パック」はHACCP管理下で製造されているため比較的安全ですが、開封後は速やかに使い切るようにしましょう。
少量ならOK?カロリーと肥満リスクのバランス
牛肉100gあたりのカロリーは部位により差がありますが、赤身モモで約150kcal、サーロインでは約300kcalに達します。
猫の平均体重4kg、運動量普通の場合、1日の必要カロリーは約230kcalで、サーロインを10g与えただけで13kcalとなり、総カロリーの6%を占める計算です。
肥満猫や室内飼いで運動量が少ない個体では、摂取カロリーの増加がすぐ体重増加につながるため要注意、脂身を除去し、赤身中心なら同量で7kcal程度に抑えられるため、なるべく脂肪分の少ない部位を選ぶことが賢明ですね。
安全に与えられる牛肉の部位と脂身の割合:おすすめ・オススメ一覧
同じ牛肉でも、部位ごとにたんぱく質と脂質のバランスは大きく異なります。
猫にとって理想的なのは高たんぱく低脂肪の赤身中心ですが、鉄分やビタミンAを補いたい場合にはレバーも少量なら有用です。
ここでは家庭で手に入りやすく、猫の健康維持に役立つ部位を脂身比率とともに一覧化しました。
表を参考にすれば「どの部位を何グラム与えればカロリーオーバーにならないか」が一目で分かり、肥満や内臓疾患の予防につながります。
| 部位 | 脂質比率(%) | 100g当たりカロリー | 主なメリット |
|---|---|---|---|
| モモ赤身 | 6 | 150kcal | 高たんぱく・低脂肪で毎日のトッピング向き |
| 肩ロース(脂身除去) | 10 | 180kcal | 鉄分と亜鉛が豊富、嗜好性も高い |
| サーロイン | 25 | 300kcal | カロリー源としては優秀だが頻度制限が必要 |
| レバー | 5 | 134kcal | ビタミンA・B12が豊富、週1回の少量給餌向け |
与える量・頻度の目安と食事への取り入れ方
どれだけ健康的な食材でも、摂取量が過剰になれば栄養バランスは崩れてしまうため、以下の章では、キャットフードと組み合わせる具体的なグラム数から、ライフステージ別のカロリー計算方法まで、実践的な指標を提供します。
キャットフードとの併用量:総合栄養食ペットフードメーカー基準
体重4kgの成猫が1日に必要とするエネルギーは約230kcalです。
一般的なドライフードは100gあたり400kcal前後のため、60gで基準を満たし、ここに赤身牛肉を10g追加すると7kcalが上乗せされ、総カロリーの3%に留まります。
肉トッピングを20gに増やす場合はドライフードを5g減らしカロリーを調整するのが理想的な与え方です。
メーカー推奨給餌量はあくまで目安なので、体型スコア(BCS)を月1回測定して微調整しましょう。
おやつ・トッピングとして与える場合の分量と注意点
牛肉をおやつとして与える際は、一口サイズ(約1g)を3〜5粒を上限とし、与えた分だけ主食を減らす「置き換え方式」を徹底してください。
フリーズドライやジャーキー製品は水分が奪われ重量当たりのカロリーが3倍以上になるため、表示カロリーを必ず確認しましょう。
また、トッピング目的でウェットフードに混ぜる場合は、汁ごと加えて水分補給も同時に行うと尿路結石の予防に役立ちます。
子猫・シニアなどライフステージ別に必要カロリーを計算
子猫期(~12か月)は成猫の約2倍のエネルギーが必要ですが、消化器官が未発達のため過剰脂質は下痢の原因になります。
安全ラインは赤身5gを1日2回、総カロリーの5%以内です。
シニア期(7歳~)は基礎代謝が15%低下する一方、筋肉量維持のため高たんぱくが望まれます。
牛肉以外のおすすめ肉食材と栄養比較
牛肉が合わない猫やローテーション目的で他の肉を選ぶ場合、栄養価だけでなくアレルギー歴や脂質許容量を考慮する必要があります。
ここでは鶏ササミ・豚レバー・市販ペットフードの特色を整理し、最適な切り替え手順を解説。
鶏のささみ・鶏肉の低脂肪メリット
鶏ササミは脂質1%未満で消化が早く、減量中や膵炎既往のある猫に最適です。
タウリン含有量も牛赤身より約30%高く、心筋症リスクの軽減が期待できます。
ただし、必須脂肪酸のリノール酸が少ないため、長期利用時は亜麻仁油などの植物油を極少量追加してバランスを取ると良いでしょう。
豚肉・レバーのビタミンA過剰リスクと対策
豚レバーはビタミンAが牛レバーの1.5倍含まれています。
過剰摂取は骨格異常や関節痛の原因となるため、週1回5gを上限に設定してください。
豚肉はトキソプラズマリスクが高いため中心温度75℃で1分以上加熱し、内部まで完全に火を通すことが不可欠です。
市販ペットフード・主食フードで不足栄養素を補う方法
手作り派にとって最大の課題はカルシウムとビタミンDの欠乏です。
市販の総合栄養食を50%以上混ぜるハイブリッド給餌にすることで、AAFCO基準を簡単に満たせます。
フード選びでは第一原料が肉類であること、粗たんぱく質30%以上、リン0.8%以下を指標に選ぶと腎臓負荷を抑えられる効果も。