猫がまたたびの過剰摂取で死ぬ?あげすぎた時の対処法

この記事は、愛猫家であるあなたが「猫にまたたびをあげすぎてしまったかもしれない」「過剰摂取で死亡することはあるのか」と不安になったときに、信頼できる情報をまとめて確認できるように執筆しています。

またたびの基本知識から致死量・応急処置・再発防止策までを網羅し、獣医師監修データや最新研究をふまえて解説するので、この記事を読めば“正しい量と頻度”“危険サインの見極め方”“いざという時の行動手順”が明確になるので、大切な猫の健康を守りながら、またたびを安全に楽しませるための完全ガイドとしてご活用ください。

目次

またたびの基本知識|猫が興奮する仕組みと効果・危険性

またたびは猫にとって“魔法のハーブ”とも呼ばれる嗜好性植物ですが、その興奮作用の裏には中枢神経を刺激する成分マタタビラクトンなどが関与しています。

適量であればストレス解消や運動促進に役立つ一方、体質や量を誤ると嘔吐・下痢・過度の興奮を招き、ときに危険な状態へ進行する可能性も否定できません。

まずは植物としての特徴、作用メカニズム、メリット・デメリットを理解し、嗜好品であることを前提に安全管理を行う姿勢が欠かせません。

またたびはどんな植物?マタタビラクトンの成分を解説

またたび(学名Actinidia polygama)はキウイの近縁種で、日本・中国・ロシアなどの山地に自生する落葉蔓性植物です。

実・枝・葉に含まれるマタタビラクトンやアクチニジンが猫の嗅覚受容体V1Rを刺激し、陶酔に似た行動を引き起こします。

これらの成分は昆虫忌避作用を持ち、人間社会では民間薬や風味付け酒にも利用されてきました。

ただし猫専用製品では乾燥粉末や木材チップとして濃縮されるため、天然の枝より成分濃度が高まりやすい点に注意が必要です。

匂いが刺激する中枢神経|猫の反応メカニズム

猫の鼻腔奥に存在するヤコブソン器官はフェロモン検知に優れ、マタタビラクトンを吸入すると神経伝達物質ドーパミンやエンドルフィンが急増します。

その結果、頬ずり・転げ回り・よだれ・一時的な興奮といった典型的行動が出現。

酔っぱらいのように見えますが多くは10分前後で鎮静化し、数時間は再刺激への反応が鈍くなり、しかし大量摂取では発汗不能な猫の体温が上昇し、呼吸数増加や震えを伴うケースも報告されています。

ストレス解消・食欲アップなど猫にまたたびを与えるメリット

適切な頻度ならばまたたびは室内飼い猫の単調な生活に変化を与え、運動不足解消や被毛にこすり付けるセルフグルーミング行動の促進に役立ちます。

食欲不振の高齢猫へフードに微量振りかけることで嗅覚刺激を強め、摂食量が改善したとの報告もあり、キャリートレーニングや爪とぎ場所の誘導に応用すれば、問題行動の減少につながる点もメリットです。

なぜ一部のネコは凶暴化・攻撃的に?研究でわかった原因

全体の約20%の猫はまたたび反応遺伝子を持たず、別の興奮経路が優位になり過剰刺激で攻撃行動へ転化すると考えられています。
米国コーネル大学の研究では、交感神経が急激に活性化する個体で噛みつきや飛びかかりが観察されました。

特に子猫期の社会化不足や多頭飼育ストレスが重なるとリスクが高まるため、初回は極微量で反応を確認し、問題行動が出たら直ちに使用を中止することが推奨されます。

致死量はある?またたびの大量摂取がもたらす死亡リスク【獣医師監修】

一般的に“またたびで死亡した”という報告は稀ですが、実験室データでは体重1kg当たり500mg以上のマタタビラクトン経口投与で呼吸抑制が生じた例があります。

乾燥粉末を誤って一袋(約2g)丸ごと食べた3kgの猫で痙攣・高体温が発症し、24時間以内に亡くなった報告も海外で確認されているので、つまり致死量は存在しうるものの、適量を守れば安全域は広いというわけです。

ただし基礎疾患を持つ個体ではリスクが跳ね上がるため、専門家は“体重1kgあたり10mg以下・週2回以内”を上限目安と提示しています。

致死量・適量の目安と過剰摂取の影響・死亡の可能性をデータで解説

獣医薬理学の文献によると、経口LD50(半数致死量)は体重1kgあたり730mgと推定されています。

一方、市販粉末またたびの平均含有量は1袋0.5gで、マタタビラクトン換算で約50mg前後。

つまり小袋を丸ごと食べても即死に至る確率は低いものの、胃腸炎や神経症状を引き起こす量としては十分です。

“指先に乗る程度(約1〜2mg)”が適量とされ、5倍を超えると嘔吐、10倍で痙攣の発生率が上昇することが動物病院の臨床データで示されています。

嘔吐・下痢・呼吸困難…危険症状と早期サイン

過剰摂取の初期サインは“よだれの量が極端に増える”“瞳孔が開く”“異常な興奮が15分以上続く”などです。

次いで嘔吐・下痢が出現し、水分が奪われると脱水と電解質バランス異常が進行します。

さらに重症化すると呼吸数が急増または減少し、舌や歯茎が青紫色になるチアノーゼが見られます。

この段階は命の危険域であり、一刻も早い酸素吸入と点滴療法が必要です。

子猫・高齢猫・持病持ちの注意点と個体差

子猫(生後6か月未満)は解毒酵素シトクロムP450の発現が不十分で、わずかな過量でも神経症状が強く出ます。

高齢猫は肝臓や腎臓の代謝・排泄能力が低下しているため作用時間が延長しやすく、持続的興奮が循環器系に負荷をかけてしまうでしょう。

心臓病・てんかん・呼吸器疾患を抱える猫ではまたたびが発作のトリガーになるケースもあるため、獣医師と相談のうえ使用可否を決めることが望まれます。

動物病院に搬送されたケーススタディと飼い主の対応

東京都内の救急病院では、粉末一袋を盗み食いした2歳の雄猫が30分後に落ち着きなく旋回し、嘔吐を3回繰り返したとの報告があり、飼い主はすぐに包装を持参し、摂取量を伝えたため催吐処置と活性炭投与が迅速に行われ、24時間以内に回復しました。

この例からも“何をどれだけ食べたか”を正確にメモ・持参することが予後を左右する重要ポイントだと分かります。

何歳から安全?年齢別またたび量と頻度・形状別の使い方ガイド

猫は生後3〜4か月頃から嗅覚受容体が成熟し、またたびへの反応が徐々に現れますが、安全面から本格的な使用は生後6か月以降が推奨です。

年齢や体重、基礎疾患によっても適量は変化するため、以下のチャートと形状別メリット・リスクを把握し、個体に合った与え方を選択しましょう。

人間でいうと何歳?年齢別適量チャート

猫の年齢を人間に換算するとライフステージの理解が深まり、過量投与の防止に役立つでしょう。

以下の表では“1回量”“週あたりの頻度上限”を示しています。

猫齢 人間換算 1回量目安 週回数上限
6ヶ月〜1歳 10〜17歳 耳かき1/3杯 1回
1〜7歳 18〜44歳 耳かき1杯 2回
7〜12歳 45〜64歳 耳かき1/2杯 1回
12歳以上 65歳〜 極少量または不可 0〜1回

粉末・スプレー・おもちゃなど製品形状別メリットとリスク

粉末はコストが安くフードに混ぜやすい反面、誤食量が増えやすいため保管管理が必須です。

スプレーは匂いの持続は短めですが量を正確にコントロールしやすく、家具に直接吹きかけたい場合に便利。

おもちゃ内蔵タイプは誤飲リスクが少ない一方、噛みちぎって中身を食べてしまう事故があるため耐久性を確認してください。

爪とぎ・キャリー利用などストレス対策への活用方法

キャリー嫌いの猫には出発30分前にスプレーを内側に一吹きしておくと、自発的に入りやすくなります。

爪とぎに粉末を軽くまぶすことで家具破壊行動の矯正にも効果的。

ただし常用すると匂い耐性で効果が薄れるため、週1〜2回の“ご褒美イベント”に限定すると飽きずに活用できます。

飼い主が押さえる注意点と様子の観察ポイント

与えたら5分以内は必ず見守り、呼吸数(1分間に20〜30回が基準)と体温上昇の有無を確認してください。

同居猫がいる場合は取り合いのケンカ防止に別室使用が基本。

匂い成分が衣類に付着し、人間の手から誤って舐め取るケースもあるので、使用後は手洗いを徹底しましょう。

過剰摂取してしまった時の応急処置と対処法

万が一、猫がまたたびを大量に摂取した場合は“刺激を減らす・状態を観察する・必要に応じて獣医へ連絡”の三段階が鉄則です。

以下ではチェックリストから病院搬送の判断基準、再発防止策まで具体的に解説します。

異常反応チェックリスト|興奮・神経症状の観察方法

まず落ち着いた場所に移動させ、タイマーを10分にセットし下記項目を観察します。

  • 転げ回りが止まらない
  • 瞳孔が極端に開き光に反応しない
  • よだれが糸を引くほど大量
  • 嘔吐または下痢が2回以上
  • 呼吸が毎分40回超または20回未満

自宅でできる初期対応と安全な環境の整え方

照明を落として静音環境を作り、室温を25℃前後に保ちます。

水分摂取を促すため、ぬるま湯やチキンスープを用意して自発飲水を観察。

粉末を口元に残している場合は濡れガーゼで拭き取り、誤って再摂取するのを防ぎます。

動物病院へ行くタイミングと獣医師に伝えるべき情報

興奮が20分以上続く、嘔吐下痢が止まらない、呼吸異常が出た—これらいずれかに該当したら緊急受診が必要です。

持参する情報は“製品名・成分表示・残量”“摂取推定時刻”“症状の経過メモ”“既往歴・投薬中の薬”。

スマホで動画撮影して見せると神経症状のニュアンスが伝わりやすく、診断がスムーズになります。

褒美や刺激の代替アイテムで再発予防

キャットニップやシルバー バイン(西洋またたび)は作用が穏やかで切り替えに適しています。

食欲アップにはカツオフレークやチキンブロスを使い、またたびへの依存度を下げましょう。

遊びのバリエーションを増やし“毎日15分の狩猟ごっこ”を導入するだけでも、嗜好品に頼る頻度を減らせます。

依存と健康リスクを防ぐ!編集部おすすめまたたびルール

またたびは嗜好品ゆえにルール化が重要です。

ここでは家庭で実践できるチェックシート、環境改善、研究エビデンスをもとにした適量管理のポイントを紹介します。

頻度と量を管理する飼い主に必要なチェックシート

冷蔵庫に貼れるA4サイズの表を作成し、日付・量・猫の反応を書き込むだけで過剰与えの防止に直結。

“1週間で空欄が3つ以上ある=与えすぎ”といったルールを設定すると視覚的な抑止力が働きます。

運動不足・ストレスを根本から解消するペット環境

キャットタワーで上下運動を促し、30cm以上の段差を複数配置して“縦の動線”を作ることで、またたびに頼らなくてもエネルギーを発散できます。

日光浴スペースや外を眺められる窓辺ステージも精神的刺激として有効です。

研究で判明した適量の範囲と個体差への配慮

岩手大学の長期調査では“体重1kgあたり週10mg以下”で依存・ストレスマーカーに有意差が生じなかったと報告されています。

ただし遺伝的に反応が強い猫では同量で血圧上昇が検出された事例もあり、個別モニタリングが欠かせません。

Q&A よくある疑問を解決!猫とまたたびの安全な付き合い方

最後に、読者から寄せられた代表的な質問と回答をまとめます。

疑問を解消して、安全な“またたびライフ”を送りましょう。

猫がまたたびを食べると“お酒と同じ”?人間との違い

人間がお酒で酔うのはアルコールが血中に入り脳に作用するためですが、猫のまたたび反応は主に嗅覚経路であり血中濃度はわずかです。

そのため二日酔いのような代謝負担は少ない一方、呼吸・心拍に急激な影響が出やすい点が大きな違いとなります。

市販品を大量に勧められたけど本当に安全?製品選びの注意

無添加表示でも産地や成分分析が不明な製品は避けましょう。

農薬検査証明やマタタビラクトン含有量を公開しているメーカーを選ぶと過剰摂取リスクを減らせます。

またたびが効かないネコは異常?匂いへの反応と個体差

遺伝的に無反応の猫は全体の20〜30%存在し、健康上の問題ではありません。

無理に与える必要はなく、玩具や運動で代替刺激を提供すればまったく支障はありません。