猫をお迎えして悩まされることが多いのが、「アオーン」という独特な鳴き声で歩き回る、猫の夜鳴きではないでしょうか。
どんなに可愛い猫ちゃんでも、安眠を妨げられるとストレスになってしまいますよね。
- どうしてアオーンと鳴くの?
- 猫の夜鳴きを防ぐには?
- 猫が夜鳴きをする場合に注意すること
今回は猫が夜にアオーンと鳴く場合の対処法をご紹介します。
猫ちゃんと飼い主、お互いがより安眠できるため知っておきたいポイントをしっかり押さえて、愛猫との暮らしを快適に過ごしましょう。
猫がアオーンと鳴く理由
猫の夜鳴きで困るのが、大きな声で「アオーン」と鳴くタイプのものです。
このタイプの鳴き方は、
- もっと遊んで欲しい
- もっとかまって欲しい
- 不安な気持ちの表れ
が原因とされていて、要するに飼い主に対する猫なりの欲求不満のメッセージなので、これらの気持ちを取り除いてあげれば、猫の夜鳴きを防ぐことができるというわけなんですね。
ただ去勢していない猫の場合、発情期の可能性もあります。
遊んで欲しい
よく「夜の運動会」と例えられますが、寝る前に急に走りはじめたり駆け回ったりするケースは、飼い主に遊んで欲しいという要求のあらわれです。
家庭の事情で日中飼い主にかまって貰えなかったりすると猫は欲求不満になり、さらに猫は夜行性でもあるので、昼間遊び足りなかった分の欲求を満たすため、飼い主を呼ぶことが多くなります。
かまって欲しい
飼い主や今までのブリーダーなど、頼っていた人や存在がいなくなると、寂しさから夜中に鳴いてしまいます。
よくあるケースが、飼い主が寝てる時に愛猫がフード皿の前でミャーミャーと鳴いたので、起きてフードをあげたり寝る時間を過ぎてもかまってあげたり…こうすると、夜鳴きがいっそう激しくなります。
かまってしまうことで、猫は「鳴けば夜でもやってくれるんだ」と勘違いしてしまい、夜鳴きの原因となってしまうのです。
不安がっている
意外と多いのが、不安を感じていたりストレスを感じている時です。
特に引き取ったばかりの子猫のうちは、環境に慣れていない事が多く、さらには飼い主の姿も見えなくなるので不安な気持ちを鳴き声で表すことがあります。
また保護猫も、迎え入れてしばらくの間は不安が強く、夜鳴きが多くなるでしょう。
夜鳴きが激しい原因
日中の人がいる時に鳴くのであれば、かまってあげたりする事も出来ますが、夜鳴きが激しいと飼い主はもちろん近所迷惑になるので対処が必要になります。
では、どのような理由で猫は夜鳴きをするのでしょうか?
お腹が空いている
猫は本来夜行性で、夕暮れ時から行動をはじめ夜になると活発になります。
夜中にたくさん運動して朝の4時~5時頃にお腹が空いて、大声で鳴くというケースが多いです。
朝になると餌が空っぽに…なんてこともあり、そんな時は空腹をうったえているのかもしれません。
対処法としては、食事量や時間を見直したり、朝昼晩のエサの他に夜鳴きをする時間に少しだけエサを用意してあげると、夜鳴きが止むことが期待できます。
トイレを片付けてほしい
猫はとても綺麗好きな動物です。
汚れているトイレで用を足す事は、人間でも嫌がる人がいるように、猫ちゃんも汚い場所を嫌がって「トイレを綺麗にして!」と鳴くことがあります。
あまりトイレが汚れていると別の場所で粗相をしてしまう可能性もあるので、寝る前にトイレを綺麗にしてあげる事で夜鳴きがおさまるかもれません。
普段排泄をするトイレに前の排泄物が残っていると、そこで用を足さないなどという事もあるので、他の動物以上にトイレに気を遣ってあげましょう。
アオーン以外の色々な鳴き声
猫が夜中にアオーンと鳴くのは本能的な行動であり、家族とのコミュニケーションをはかり、注意を引くためですが、夜鳴きは「アオーン」だけではなく、「マーオ」や「ナーオ」などで鳴くこともあり、猫の鳴き声らしく高いトーンで「ニャーオ」という声で鳴くこともあります。
声の高さや大きさは個体によって様々で「ギャーギャー!」と、叫ぶようにとても大きな声で鳴く猫もいます。
あまり大きな声だと近隣住民との騒音トラブルになりかねないので、飼い主の徹底したしつけが必要です。
猫がアオーンと鳴いたり夜鳴きする時の対処法
猫のアオーンは飼い主に対する猫なりの欲求不満のメッセージだと分かりましたが、この夜鳴き対策は何かあるのでしょうか?
日中にたくさん遊んであげる
猫は本来夜行性の動物なのでその習性が残っている猫の場合、家の中でも、夜に人間が寝静まると「かまって〜」と鳴き出すため、猫と日中にたくさん遊んであげて運動不足を解消したり、たくさんかまってあげて欲求を満たしてあげると満足して夜鳴きが減っていきます。
また、日中にたくさん活動することで、日中に活動して夜は静かにするという人間の生活パターンにも慣れていきやすいというメリットもあるので、積極的に遊んであげましょう。
この夜鳴きの習性は、生まれた時から人間の手で育てられた猫よりも、野良猫出身の保護猫に多い傾向があるので、保護猫を迎え入れた際には特に沢山かまってあげてください。
廊下や部屋でこのような便利アイテムを使うと猫の運動にもなるし一石二鳥ですね。
それでも鳴いている間はそっとしておく
大きな声で繰り返し鳴いているのを見ていると、ついその場でかまってあげたくなりますよね。
確かに、鳴いている時に声をかけてあげると、一時的に鳴き止むことも多いのですが、それはあくまでも一時的な効果でしかありません。
『可哀想だからちょっとだけ…』と鳴いている時にかまってあげると、「鳴けばかまってくれる」ことを覚え、余計に鳴くようになってしまうことがあります。
どうしても眠れない時や近所迷惑が心配な時など、緊急の時のみかまってあげるのは仕方がないですが、あまり頻繁に行ってはいけません。
鳴いている間はそっとしておくようにしましょう。
猫のお気に入りの寝床を作ってあげる
先ほど猫が鳴く理由であげたように、夜鳴きは猫の不安な気持ちが原因となっている可能性があります。
その場合、ここにいれば落ち着く、安心する場所を作ってあげることが効果的です。
- ペット用のサークルベットを設置する
- よくいる場所に毛布などをひいてあげる
猫は狭い場所を好み、体がどこかに触れていると落ち着くので、体の大きさに合わせたサークルベットを置いてあげたり、柔らかいものを敷いて体が沈み込むようにすると猫が安心できる場所になるでしょう。
お家にちょうど良いサイズのカゴやボックスがある場合には、その中にクッションや毛布を入れるだけでもいい感じに猫の寝床が出来るので、夜に飼い主が寝てしまって不安になっても、安心できる場所があることで気持ちが落ち着くため夜鳴きの軽減に繋がります。
もし「せっかくサークルベットを買ってあげたのに入ってくれない!」そんな時は、その猫の匂いのついたものを入れると効果的です。
猫は気まぐれな動物ですので、しばらくたってから急に入り出すこともあるので気長に待ちましょう。
自分で作るのが難しい場合は、キャットタワーを設置するのもオススメです。
去勢手術や避妊手術をする
去勢手術や避妊手術をしていない猫の場合、激しくアオーンと鳴くのは発情期が大です。
発情期になると、異性に自分の居場所をアピールするためにとても大きな声で鳴きます。
猫は日照時間の長い季節になると発情期を迎えますが、お家で飼っている猫は室内が常に暖かく明るいため発情しやすいのです。
去勢手術や避妊手術を受ける時期は、生後6ヶ月頃が理想ですが、猫の状態にもよるので、獣医さんに相談してみて下さい。
「家から出さない、もしくは1匹しか飼わないなら手術は必要ないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、手術しないでいると、発情しても交尾ができないことで、猫自身にとっても大きなストレスとなってしまうんです。
もし子供を産ませることを考えていないなら、必ず去勢手術や避妊手術をするようにしましょう。
夜鳴きの対策グッズ
これまでの対処法でもなかなか夜鳴きがおさまらない…そんな時は、夜鳴き対策グッズに頼ってみるのも一つの手です。
猫ちゃんのストレスや不安を軽減してくれる便利グッズが多数あるので、今回はその中でも夜鳴きに有効なグッズをいくつかご紹介いたします。
フェリウェイ
フェリウェイとは、猫のフェイシャルホルモンをもとに作られたフェロモン製剤のことです。
コンセントに差し込むリキッドタイプや、普段猫ちゃんが使用しているタオルや毛布に吹きかけるスプレータイプがあります。
フェロモンを拡散させ、猫ちゃんをリラックスさせる効果があり、動物病院などでも使用されているので、夜鳴きはもちろん病院に連れて行く前など、環境の変化に敏感な猫ちゃんにはピッタリのグッズです。
レスキューレメディを試してみる
レスキューレメディとは、5つのレメディを配合したフラワーエッセンスの事です。
野生の花や草木を原料に用いたエッセンスなので習慣性や副作用もなく、猫ちゃんの緊張やストレスを緩和し、リラックス状態へと導きます。
与えるタイミングや頻度は猫ちゃんの状態によりますが、夜鳴きが収まらない時などは1回におよそ4滴くらいを目安に与えるとよいでしょう。
レメディにも豊富な種類があるので、選ぶのに不安がある場合は、ぜひ獣医さんやブリーダーに相談してみましょう。
自動ネコトイレ
排泄を検知して、自動でお掃除をしてくれる猫用のトイレです。
夜鳴き対策だけでなく、飼い主が日中家にいない時や、トイレ汚れが原因で排泄を我慢してしまうという心配も無くなりますし、また、排泄時に体重を計測したり、排泄中の様子を記録したりなど、様々な機能がついた最先端トイレもあります。
一言で自動といっても、細かい後始末やメンテナンスは飼い主自身でおこなったり、そもそも猫ちゃんが怖がって利用しなかったりする場合もあるので、家庭の事情や環境などを考慮してから購入を検討してみてください。
猫の夜鳴きは病気のサインの場合も
猫が異常に鳴くのは、病気が原因である場合も考えられるので注意が必要です。
具体的には、認知症や甲状腺機能亢進症などの可能性もあるので、それぞれの症状をみてみましょう。
認知症の場合
ヒトが高齢になると認知症が起こりやすいのと同じく、猫も加齢が原因で認知症になる場合があります。
一般的には、10歳を過ぎると認知機能が低下し、日常生活に支障をきたすようになり、結果的に夜鳴きが起こるのです。
他にも名前を呼んでも反応しない、同じ場所をうろうろする、凶暴になるなどといった症状や仕草を見せます。
現在、猫の認知症を完治させる薬や方法はありませんが、日頃の食生活や生活習慣に気を配ることで予防ができるので、若いうちからコミュニケーションをとりましょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺とは喉の近くにある器官で、甲状腺が肥大しホルモンの分泌量が増え、過度に代謝が活性化してしまう病気が甲状腺機能亢進症です。
こちらも中高年の猫に起こりやすい病気で、全ての猫種にかかる可能性があると言われています。
甲状腺機能亢進症による興奮が原因で夜鳴きが起こり、他にも食欲の亢進、行動の活発化などの症状があげられ、興奮している状態が続くので、一見すると若々しくて元気に見えるのですが、それゆえに発病していることに気づきにくいとても厄介な病気なのです。
異変を感じたらすぐ病院へ
これらの病気の場合、よく鳴くといった症状の他にも何か異常が見られることが多く、例えば甲状腺機能亢進症の場合、食欲は増すのに体重が減ります。
高齢である、様子がいつもと違うといった場合には動物病院を受診して、獣医さんに相談するようにしましょう。
猫がアオーンと夜鳴きする時の対策のまとめ
- 日中にたくさん遊んで欲求不満を解消する
- サークルベットなど、安心できる寝床を作ってあげる
- 子供を考えていないなら去勢や避妊手術をする
- 日中にたくさんかまってあげて、鳴いている間はそっとしておく
- 夜鳴き対策グッズを使用する
- いつもと様子が違うようなら獣医さんに相談
猫が「アオーン」と鳴くのは猫の欲求不満や不安感が原因である場合が多いので、それをいかに解消するかを考えることで、猫の夜鳴きは減っていくでしょう。
猫は性格も習性も様々です。全く鳴かない猫もいれば、よく鳴く猫もいますし、人間との生活に馴染むのに時間のかかる猫もいます。
根気よく猫と向き合えば、猫の方から人間の生活パターンに慣れていってくれるはずです。
ぜひ、上記の方法で夜鳴きを軽減し、猫ちゃんとの生活をより楽しんで下さい。